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つくばFCからのお知らせ news

ジュニアユースセレクション実施の経緯、ジュニアユース2020での活動について

①経緯について
 私たちつくばFCは「全ての人が素晴らしい環境でスポーツを楽しめるようにすること」を理念に発足し、活動を進めてまいりました。老若男女を問わず、レベルに関わらず、スポーツを楽しめるようにしていくことを目指しています。「するスポーツ」を楽しんでいただくことはもちろん、「見るスポーツ」を楽しむことについても、社会人トップチーム発足以来、活動を展開してきております。その社会人トップチームでクラブ生え抜きの選手が活躍し、クラブがJリーグに昇格し、選手が世界に羽ばたいていくことが、クラブの夢です。その舞台で活躍できる選手を育成していくことが、ユース・ジュニアユースチームの使命の一つです。そのためには、より熱い思いを持った選手たちが集まり、切磋琢磨し合う環境作りは大切なことです。選手育成に適した環境作りには、活動に適切な人数、適切なグラウンドの広さ、適切な試合数などの条件を整えていく必要があり、活動に当たる選手数をしっかり考える、すなわちセレクションすることが必要となってしまいます。

 一方、本クラブのジュニアユースには、別の位置づけもあります。それは、部活動になじめなかった中学生、あるいはクラブのセレクションにチャレンジしたが入れなかった中学生たちの活躍の場としてのクラブです。本クラブでは、部活になじめなかった、あるいはセレクションに受からなかった中学生も大切にしていきたいという思いで、昨年度までセレクションを行っていませんでした。近年、中学校では働き方改革が少しずつ進み、部活動を縮小すべきとの意見が強くなってきています。また、少子化によって部活動が成り立ちにくくなっている地域もあります。こうした状況を考えると、セレクションを行わずに入れるクラブの必要性は増してきているように思います。

 ジュニアユース発足から18年目に入り、クラブ内外の状況が変化する中で、上記2つの位置づけをどのように満たしていくか、非常に難しい問題でした。クラブ理念「全ての人が素晴らしい環境でスポーツを楽しめるようにすること」を満たすためには、セレクションすることも必要となりますし、セレクションがないことも求められています。私たちスタッフは悩み、今回のセレクションの実施に当たっては、相当の時間をかけて議論してまいりました。その議論の中ではどちらの面からも多くの意見が出てきましたが、その根底にあるスタッフ共通の思いは一つでした。

 「セレクションをせずに入れるクラブの必要性は十分に理解している。しかし、最後の砦としてつくばFCジュニアユースを選択してもらうのではなく、第一選択として、つくばFCジュニアユースを選択してもらいたい。」
そのため、今回のセレクションの実施に至り、セレクトチームとジュニアユース2020の2チームを発足することとなりました。

②ジュニアユース2020の活動について
 ジュニアユース2020ではつくばFCでサッカーをしたいと思っている中学生を対象とし、サッカー選手として、1人の人間としての成長を目指します。また、ジュニアユース2020においてもつくばFC育成部のビジョンである「日本サッカー界で活躍できる人材を輩出する」ことを追求します。その中でもオンザピッチでは個人の成長に焦点を当て、生涯を通じてサッカーを楽しむことのできる素養を身につけることを目指します。さらに、「する」スポーツだけでなく指導者や、クラブのフロントスタッフなど、「支える」スポーツとして日本サッカー界で活躍できる人材の育成にも尽力していきます。現在、サッカーの指導者は試合映像を分析したり、コンデイションやプレーを客観的に評価したりしてサッカーを多角的に見ることが求められます。また、これは選手を続けていく上でも必ずプラスになるスキルだと考えます。ジュニアユース2020では選手が自分たちのプレーを分析し、それをまとめ、発表するというようなことを行い、サッカーや物事を様々な視点でみることのできる選手の育成をします。

 また、地域クラブでスポーツすることの意義を感じ、生涯スポーツ社会の中で日本サッカー界を支えていくような人材の育成を目指します。スポーツは楽しむことが目的である。そして地域の人々との関わりの中でそのスポーツを行うことによる様々な学びの中で成長していくことが地域クラブでスポーツをする魅力だと思っています。

 以上のような、サッカーをするだけではなく支えるためのスキルや経験もできる場になります。また、サッカーのプレーを分析し、まとめ、発表するということはサッカー以外のことにおいても、多角的に物事を捉え、アウトプットを行う練習になりますし、地域の人々との繋がりを感じながらサッカーをすることは、学校という同年代との関わりの中での学びだけではない他年代、多様な人々との学びがその後に活きると信じています。

 サッカーが好きな子ども、指導者、クラブ、みんなが主体的に成長できるようなチームを目指します。

つくばフットボールクラブ 代表 石川慎之助